NEDO 若手研究グラント平成21年度採択テーマから産学連携のための研究紹介

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ヒト型糖鎖の組み替えタンパク質を作る酵母の開発

組み換えパン酵母を開発して糖鎖結合型のタンパク質を安全かつ安価な製造を目指します。

研究機関・所属 産業技術総合研究所 健康工学研究部門
氏名・職名 安部博子 研究員
研究テーマ名 ヒト型糖鎖を均一に有する組換え糖タンパク質を高効率に生産する代替宿主としての酵母株の開発
応用想定分野 医薬品 診断/検査薬の製造
技術概要

 バイオ医薬品の低抗原化と薬効の向上を目ざし、独自開発したヒト型糖鎖生産酵母育種技術と、細胞表層固定化技術を駆使して、自在にデザインした糖鎖が均一に付加したタンパク質を効率よく生産できる酵母を開発しています。

技術の特徴
(1)高い安全性
長年食品に汎用されていて、遺伝学・分子生物学が駆使できるパン酵母を基礎にすることで、安全・迅速でかつ安価に目的とするタンパク質が製造可能となります。
(2)酵母の遺伝子改変が単純です
細胞表層固定化技術を組み込むことにより、従来の酵母による糖タンパク質生産系に比べ、導入遺伝子数を飛躍的に減らすことが可能となり、迅速な対応が可能となります。
(3)様々な糖鎖の改変が可能です
ヒト型の糖鎖のみならず、非天然型の糖鎖が付加した糖タンパク質の製造も容易です。
従来技術との比較
特許出願状況
(1)
酵母の製造方法、酵母、及び糖タンパク質の製造方法、特許公開2008-220172、特願2006-193445、2006年7月14、米国特許番号:7803605, 安部博子、仲山賢一、千葉靖典、地神芳文、板谷有希子
(2)
微生物の製造方法, 糖タンパク質の製造方法, 及びβ-グルカンの製造方法,特願2009-004310、2009年1月13日、安部博子、仲山賢一、千葉靖典、地神芳文、藤田康子、藤谷典志、片桐伸悦
研究者からのメッセージ

 まず、医薬品原料となる糖タンパク質の供給を目指します。更には、糖鎖改変による新規活性を示し医薬品としての可能性を考え得る糖タンパク質の生産を目指します。
 そのために、糖タンパク質、抗体医薬などバイオ医薬品の研究開発・商品開発に関心もしくは実績を有する企業・研究機関などと、意見交換および共同開発を希望します。

参考:

産業技術総合研究所 健康工学研究部門
http://unit.aist.go.jp/hri/group/barg/

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