有望技術紹介

48 長寿命と高トルク化を両立した超音波モータ

株式会社Piezo Sonic
圧電セラミックを駆動源とした長寿命でかつ高トルク化を両立した超音波モータを開発した。小型・軽量非磁性などの特性を活かし、ロボットのアクチュエータ、高度な医療機器(MRI)など、高機能化が求められる各分野での採用が期待される。

【本技術の概要】
超音波モータ(ピエゾモータ)は、電圧を加えると伸縮する圧電セラミックを駆動源としたモータで、小型で力が強く、音も静かで静止時には電力を使わないという特徴を持つ。また、動作時は摩擦力を用いており、通常モータのように磁石やコイルを利用しないため磁力が出ない。
従来の超音波モータは同サイズの電磁力で回転するモータ(DCモータなど)と比べて高トルクであるが、寿命は1/10程度と短いことが課題となっていた。この度当社で開発された超音波モータでは、構造と素材を見直すことにより、同サイズの従来の超音波モータと比べ2倍以上の長寿命化に成功した。また、大幅な高トルク化もあわせて実現した。

【本技術の特徴】
同サイズのDCモータと比べ約5~10倍の高トルクが得られる。また、非通電、非制御で姿勢・状態を保持することができるので、バックラッシュが起きないことも特徴である。その結果、装置のダイレクトドライブによる高精度な位置決め制御ができる。起動、静止の応答性も高く、ステージなどの搬送機やカメラの雲台、ジンバル、割り出し装置、多関節ロボットの関節用のモータに最適である。

  1. 他のモータに比べ低速・高トルクである。
  2. 摩擦力により停止時でも高い保持力を維持でき、バックラッシュがない。
  3. 小さくて軽く、高い位置制御を持つ。
  4. 回転部の重量が軽いため慣性力が小さく、駆動信号が停止すると直ちに静止するので、位置決め精度が高い。

【本技術の応用事例・想定用途】

医療機器、ロボット分野などモータ駆動による高度な制御と磁力の影響を嫌う分野での貢献が期待できる。

  • 医療機器 MRI 内での搬送用モータ
  • 微細位置制御が必要なロボットアーム
  • 強放射線環境用モータ
  • 真空環境用モータ(宇宙環境等)

など

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