NEDO 若手研究グラント平成21年度採択テーマから産学連携のための研究紹介

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曲げ変形応力を受けた箇所だけが弾性率が高くなる医療用チタン合金の開発

施術中の医師によって応力が加えられた場所に限って、応力誘起相変態を起こし、部分的に弾性率が上昇しながら、骨類似の低弾性率を保ったチタン合金を開発しました。

研究機関・所属 東北大学 金属材料研究所 生体材料学研究部門
氏名・職名 仲井正昭 助教
研究テーマ名 局所弾性率上昇型脊椎固定用チタン合金製ロッドの開発
応用想定分野 医療用器具、スポーツ用品
技術概要

 骨機能チタン合金設計に用いられるMo当量やd電子合金設計法で相安定性を予測し、応力誘起相変態を生じる可能性の高い合金組成として、Ti-12Crを選択しました。
 この合金の溶体化処理後のヤング率は60〜70GPaと低く、医療用のチタン合金として開発されたTi-29Nb-13Ta-4.6Zrと同程度であり、冷間圧延処理を行うと、Ti-29Nb-13Ta-4.6Zr 合金は応力誘起相変態が生じないためヤング率がほとんど変化しませんが、Ti-12Cr合金は応力誘起相変態によりヤング率が上昇することから、Ti-12Cr合金の加工法を工夫することにより、曲げ変形応力を受けた箇所のヤング率上昇を数値として捉えることができました。

技術の特徴

 骨機能を代替する医療用金属には、骨類似の低弾性率が求められていますが、低弾性率金属素材は大きなスプリンバックを生じやすく、施術現場の医師からはスプリングバックの小さい操作性に優れるものが望まれています。
 この相反する要求に応えるために、施術中に医師によって応力が加えられた箇所に限って、応力誘起ω相変態を起こし、部分的に弾性率が上昇する金属素材を開発することができました。

特許出願状況
米国特許1件
発明者: Mitsuo Niinomi, Masaaki Nakai
出願人: Tohoku University, Showa Ika Kohgyo Co.Ltd.
題目: Spinal Implant Rod Made of Ti Alloy
出願日: 平成22年6月3日
出願番号: 61/351134
研究者からのメッセージ

 本開発の弾性率可変型チタン合金を用いることにより、金属製医療用器具の高性能化に貢献できると思います。この弾性率制御技術は、医療用器具にだけでなく、その他の分野にも応用が効くと思われます。未知の応用分野との遭遇を期待しております。

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