NEDO 若手研究グラント平成21年度採択テーマから産学連携のための研究紹介

お問い合わせ

新しい透明樹脂:高屈折率、リフロー対応、透明接着剤等への展開

高屈折率・低複屈折の新しい透明樹脂(新型フェノール樹脂)の研究です。高分子ブレンド、接着剤、熱硬化型の透明材料として期待できる素材です。その他、有機・無機ハイブリッド型の高屈折率樹脂や高性能アクリル樹脂などの研究も行っています。

研究機関・所属 東京工業大学 大学院理工学研究科 有機・高分子物質専攻
氏名・職名 小西玄一 准教授
研究テーマ名 先端光学材料と輸送機器の窓ガラスの樹脂化を指向した新しい高屈折率透明樹脂の開発
応用想定分野 高屈折率樹脂、熱硬化型透明樹脂(リフロー対応)、高強度構造材料(有機ナノコンポジット)、屈折率制御型フィラー、高性能アクリル樹脂、ポリマーアロイ
技術概要

 水酸基に機能分子を導入したデザイン型フェノールを付加縮合するという新発想により、フェノール樹脂の精密合成の扉を拓きました。たとえば、三官能性のアニソールから超高分子量の直鎖状ポリマーを合成したり、溶媒効果により1,3,5-トリメトキシベンゼン(TMB)とホルムアルデヒドとの重合反応を制御し、1種類のモノマーから欲しい形状のポリマー(直鎖状、分岐状、球状)を自在に作り分けることに成功しました。後者は、反応場の効果によりモノマーの官能基数を制御するというユニークな分岐構造の制御法で、新しい重合概念です。得られたポリマーは、フェノール樹脂の耐熱性や構造特性を受け継ぎながら、興味深い性質を示します。

 特筆すべきは、TMB直鎖状ポリマーが立体規則構造を示すことを明らかにし、さらにフェノール樹脂のみから無色透明なフィルムを作製して、アモルファスで高耐熱性(分解温度380℃以上)、高屈折率(1.59)、低複屈折、高アッベ数と,ポリカーボネート(PC)を凌駕する素材を開発したことです。いずれも世界初です。そして、このポリマーは、PC、ポリスチレン、i-ポリプロピレンなどと高い相溶性を示すマジックポリマーです。これら一連の研究は、重合・物性・材料いずれにおいても従来のフェノール樹脂のイメージを一新するもので、新世代フェノール樹脂として国際的にも高く評価されています。

・期待される用途例
  1. 1.先端光学材料、輸送機器の窓ガラスの樹脂化
  2. 2.鉛フリーはんだリフロー対応の熱硬化型透明樹脂
  3. 3.PCの強度・表面硬度の改質
(革新的融合分野のステージ1として現在進行中)
技術の特徴
  1. 1.優れた光学的特性と耐熱性有する透明材料
    〜目指している物性〜
    ・高屈折率材料
     (1)屈折率>1.65、透過率>95%の芳香族系高分子(主にCHOから構成)の開発
     (2)リフロー対応レンズへの開発ポリマーの導入(企業と連携を希望)
     (3)屈折率>1.6、透過率>95%、低複屈折、アッベ数>30のアクリル樹脂の開発
     (4)高屈折率無機微粒子と親和性の高い高屈折率ポリマーの開発 等
    ・ガラス代替材料
     (5)屈折率制御型ナノフィラーとそのPCナノコンポジット 等
  2. 2.PC,ポリスチレン、ポリプロピレンなどと高い相溶性を示すマジックポリマー
  3. 3.直鎖状、分岐状、球状と立体構造の作り分けが可能
従来技術との比較
革新的材料のため従来材料との単純な比較は困難
特許出願状況
  1. 1.未公開出願特許 3件
  2. 2.特願2006-149137 微細熱可塑性樹脂繊維の製造方法及びその製造装置発明者 審査請求中
研究者からのメッセージ

 革新融合分野のステージ1で、基礎的な研究を多数行っています。透明樹脂以外にも、様々な材料とハイブリッド化可能です。

お問い合わせはこちらから