高温環境下で安定した性能のセラミックコンデンサーの開発
自然超格子構造を有するビスマス層状誘電体群について積層方向のｃ軸方向の誘電性に注目し、室温から約500℃まで結晶相転移がなく安定したセラミックコンデンサーです。
| 研究機関・所属 | 東京工業大学 大学院総合理工学研究科 物質科学専攻 |
|---|---|
| 氏名・職名 | 舟窪浩 准教授 |
| 研究テーマ名 | "サイズ効果フリー特性"を有するｃ軸配向ビスマス層状誘電体を用いた高温対応高容量薄膜コンデンサの開発 |
| 応用想定分野 | 燃料電池自動車電装品、炭化ケイ素系パワーデバイス、ＬＥＤランプ |
技術概要
薄膜化しても特性が劣化しない"サイズフリー特性"を有するｃ軸配向ビスマス層状誘電体を用い、ガラスや金属箔上でも約500℃まで特性劣化がないコンデンサ材料を開発し、電気回路の構成部品の中で最も遅れていた高温対応高容量コンデンサを実現しました。
技術の特徴
ビスマス層状誘電体のペロブスカイト構造をナノメーターサイズ化し、酸化ビスマスのナノメーターオーダー層と積層した自然超格子構造を有しているため、従来の材料が約120℃で結晶構造の相転移があるのに対し、室温から約500℃まで結晶構造の相転移がなく、高温で安定した特性が得られます。
従来技術との比較
特許出願状況
研究者からのメッセージ
新規特性を有するコンデンサ材料です。これまでにない温度が可変する条件下でも高温まで使用可能です。 用途開発も含めた【エンドユーザー】になっていただける会社に興味をもっていただけると幸いです。
参考：
Kenji Takahashi, Muneyasu Suzuki, Takashi Kojima, Takayuki Watanabe, Yukio Sakashita, Kazumi Kato, Osami Sakata, Kazushi Sumitani and Hiroshi Funakubo, "Thickness dependence of dielectric properties in bismuth layer-structured dielectrics", Appl. Phys. Lett., 89 (2006) 082901-1-3.
