NEDO 若手研究グラント平成21年度採択テーマから産学連携のための研究紹介

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喉頭癌・子宮体癌の迅速診断システム

喉頭癌ならびに子宮体癌に特異的に発現抑制を認めたマイクロRNAの発現プロファイルから、バイオマーカー候補となるメチル化DNAをスクリーニングし、それらの感度・特異度の検証の後、1分子蛍光分析法を用いた血液検体における迅速診断システムを構築します。

研究機関・所属 慶應義塾大学 医学部 
氏名・職名 座間猛 特別研究講師
研究テーマ名 血中メチル化DNAの新規検出方法を利用した、喉頭癌・子宮体癌の迅速診断システムの開発
応用想定分野 がん、臨床診断
技術概要

 現在、国内での悪性新生物(がん)による死亡者数は年間33万6000人と最も高く、その数は増加の一途にありますが、喉頭癌ならびに子宮体癌も例外ではありません。さらに、前者は整容面からも患者さんのQOLが極めて悪く、また後者においては罹患率の上昇や発症の若年齢化などが問題になっています。しかしながら、これまでのところ、これら疾患の診断に有効なバイオマーカーは見出されていません。
 このような状況において、私達は、有用なバイオマーカー候補として、各々の癌におけるマイクロRNA発現プロファイルから癌特異的なメチル化DNAを見出してきました。本事業では、これらを利用した、血液検体での1分子蛍光分析法による迅速診断システムの開発を目指します。

技術の特徴
(1)患者さんの身体的負担が少ない簡便な検査法です
対象とするバイオマーカーを組織由来の血中メチル化DNAとすることで、採血による低侵襲な検査システムとなります。それにより、喉頭の内視鏡検査や全身麻酔下での組織診断、あるいは内診による子宮の細胞・組織診断と比較し、患者さんにとって肉体的・精神的に負担が少ない検査法となります。
(2)感度・特異度の高いバイオマーカーを用いた検出方法です
本技術で用いるバイオマーカーは、機能性RNAであるマイクロRNAの発現プロファイリングに基づき、生理的にも意味のあるメチル化DNA領域を選択的に探索したものです。そのため、感度・特異度ともに高く、臨床診断上、質的評価を可能にすると期待できます。
(3)偽陽性が少なくなります
臨床検査上、癌特異的に発現が抑制されるマイクロRNAの検出を目的とすると、検査システムの不備により結果的に発現値が低く測定されるマイクロRNAをみている可能性を否定できず(偽陽性)、臨床診断において致命的な支障をきたします。しかしながら、癌においてその発現抑制の原因となるDNA上のメチル化を捉えることができれば、このような偽陽性の可能性を最大限減らすことができ、臨床検査上、非常に有用と考えられます。
従来技術との比較
特許出願状況
(バイオマーカー関連)
研究者からのメッセージ

 これまで癌のスクリーニングに汎用されている画像診断では、早期癌を検出できず、検出された癌についても予後の予測など質的診断ができないという決定的な弱点があり、コストも高いものでした。
 今回開発を進めている方法では、少量の血液から早期診断および質的診断を可能とするものであり、かつ低コストで患者の負担が少ない画期的なものとなることが期待できます。

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